どうも、おっちょ(@occho_fxtrader)です。
今日は真面目なお金の話です。
ズバリ、日本円の価値について。
以下の記事にもあるとおり、米ドル円相場は2016年2月以来の1ドル=120円台にまで上昇し、6年ぶりの円安水準となりました。

そして現時点では1ドル=122.08円です。
僕は副業としてFXをやっているので為替レートは毎日見ているのですが、なかなか由々しき事態になってきているなとここ最近感じています。
約1年前の2021年1月は1ドル=102.60円でしたので、そこから約20円も上昇しました。
上昇率でいうと19%です。
この事態をわかりやすく言うと、去年100万円だったものが今は80万円の価値しかないということであり、その分だけ価値が薄まっているということになります。
額面は去年も今も100万円ですが、価値は下がっているということです。
もっと分かりやすく言うと、100万円出せば買えた海外製品のモノが、今は120万円出さないと買えないということ。
「俺たちは日本人なんだから使うのはほとんど円だけだろ?円安だかなんだか知らねーが円だけで生きていれば生活には何にも影響ねーじゃん?」
と思いがちですが、もちろんこれは大きな間違い。
日本は衣食住において欠くことのできない資源の多くを海外からの輸入に頼っているんですよね。

:平成30年度「食料需給表」、平成30年「木材需給表」、
「エネルギー白書2020」、「鉄鋼統計要覧」2019年版、
帝国書院HP統計資料、「日本のアパレル市場と輸入品概況2020」
(以上、対外依存度)
財務省貿易統計、「森林・林業白書」令和元年版(以上、輸入先)
円安により海外のモノの値段が相対的に上がったことで、輸入企業は痛手を被ります。
海外から高く買ったものは国内でも高く売るしかありません。
安く売っていては儲けが出ないどころか赤字になってしまいますので。
そして我々消費者は、「高いから買わない」という選択肢は取れません。
衣食については特にそうでしょう。
多少高くても買わなきゃ生きていけませんからね。
エネルギー関連はイメージが湧きにくいですが、間接的に我々の生活に影響しています。
今回の円安の原因は、アメリカの利上げです。
アメリカはコロナ禍によって経済が大打撃を受けたため、金利をゼロにしたり市場にお金を投入したりとさまざまな金融緩和策を施してきましたが、雇用状況が改善し景気が回復してきた一方で過度に進んでしまったインフレを抑制するため金融の引き締めに転じたというわけです。
金融の引き締めとは、即ち利上げです。
国債の利回りを上げて国債の購入を促し、市場に溢れたお金(ドル)を吸収しインフレを抑制しようという思惑で利上げをするというイメージですね。
利回りの良い国債を買うためにはその資金が必要になってきます。
そこでどうなるかというと、円を売るという動きが起こります。
つまり、円を売ってドルを買うということです。
そしてその動きの一環で円が売られればその分だけ市場に円が溢れることになり、流通量の多くなった円はその分だけ価値が薄まります。
これが今回円安となった背景です。
そしてその円安に追い討ちをかけるように、黒田日銀総裁は円安を容認する発言をしています。
これによってさらに円安が進んだとか・・・
ただ、必ずしも 円安=悪 ではありません。
円が安くなって物価が高くなっても、その分給料が増えれば生活水準は変わらないからです。
しかし残念ながら、円安になってもこの先給料が増えるのかと言われるとちょっと怪しいです。
通常であれば、円安▶︎物価上昇▶︎企業業績アップ▶︎給料アップという流れになるのが一般的ですが、ここ20年を見ると全く賃金は上がっていません。

引用元:三井住友DSアセットマネジメント
この間にも円安の時代はありましたが、賃金はご覧の通り上がっておらず・・・
賃金が上がらなければ物価上昇による家計圧迫は免れません。
しかもこの先円安はさらに進行する可能性が高いです。
そうなると家計はさらに圧迫を受け、消費はますます冷え込みます。
物価は上がっているのに給料は増えないというスタグフレーション状態に近づいており、日本はこの先どうなるのかと思いやられます・・・
しかし、そんな危機的状況でもできることがあります。
ドル建てで資産を持つことです。
僕は今、少額ながらもSBI証券で米国株を運用していますが、株価上昇はもちろんのこと円安の影響でかなり資産が増えました。
物価上昇率で割れば実質的にはそこまで増えたとは言えないかもしれませんが・・・
でも日本円だけで持っているよりは確実に良いというのは確か。
日本円だけで持っていたら増えていなかったわけですし、というか増えていないどころか実質的には円の価値が薄まっているので減っていると言えるわけですので、文字通り「やらなきゃ損」な時代になってきたなと思います。
投資を進めるわけではありませんし僕が偉そうに言えることではありませんが、預貯金に余裕のある方や損したくないという方は外貨を保有することを検討してみてもいいかもしれません。